経理事務として働くために
経理事務を必要としない会社はありません。経理事務は、万が一今の会社に何かあっても次の仕事が見つかりやすく、どの会社へ行っても通用する仕事だといえるでしょう。
経理は、会社の金銭面での動きを記録して決算を行なう業務です。具体的な業務には、小口現金などの経費精算、仕訳伝票や金銭出納帳など管理帳票の作成・管理、銀行の振込処理、月次決算書類や試算表などの作成等があります。
現在、経理事務にはどのような人材が採用されているのでしょうか。
新卒は別として、経理事務の中途採用では実務経験が重視されます。これはどの業務でも同じなのですが、経理事務は比較的専門性が高いためより実務経験を重視する傾向にあります。また、最近では伝票入力や決算処理をコンピュータ化している会社がほとんどな上、銀行振込もインターネットを通じて処理するところが多く、パソコンが使えることは必須条件となっています。
全くの未経験者が経理事務に採用されることは難しいといえますが、会計士事務所で実務の知識を得てから一般企業にチャレンジするのも一つの手です。また、小口現金の取扱や仕訳伝票の入力は経理ではなく営業部門が兼ねることがありますので、そういった所から経理事務に触れていくのも良いでしょう。
尚、経理事務には、伝票や帳簿に共通する記録方法である簿記が必須です。沢山の書籍が出版されていますので、まず簡単なものを一冊読んでみることをお薦めします。
実務経験の重要性
経理事務に採用されるためには、とにかく実務経験が物をいいます。採用に有利だとまず資格を取ろうとする人がいますが、一昔前の売り手市場とは違い、無資格だが実務経験のある人と、資格があるけれども実務経験がない人では、まず前者をとるのが現状です。
そのため、最初は正社員でなく派遣社員やアルバイトでも構いませんので、どこかで少しでも経理事務かそれに近い業務経験をつむことが必要です。例えば、経理事務アシスタントなどの派遣募集には未経験者でも可能なものもあり、アシスタント業務をしつつ経理業務を学ぶことができます。
また、小さい会社ならば全てを一人でやらなければなりませんので、庶務や総務業務がメインで雇用されても、小口現金の取り扱いや金銭出納帳や伝票の入力・管理といった簡単な経理業務が含まれることが多く、狙い目です。更に、仕訳伝票の入力は経理ではなく営業部門が行なうこともありますので、そちらに入って営業事務以外に経理面の経験を少しずつ重ねていくこともできます。
また、会計士事務所で働くことも経理事務採用には有利に働きます。実際の経理実務はしていなくても、会計事務所では経理用語が飛び交い実践的な知識が実につくとしてプラスに捉えられ、一般企業での経理事務に採用される可能性が広がります。
このように、経理事務に採用されるための条件を少しずつ得てから、経理事務にチャレンジするのが確実だといえるでしょう。また、その一方で簿記などの資格を取得すると効果的です。資格は、実務経験があってこそ役に立つものなのです。
実務経験以外に重要視されるものとは
経理事務の採用にあたり、実務経験以外に重視される要素の第一位は「人柄」です。人柄に関することは実務経験があっても同様で、実務経験が少し低い程度ならば、人柄が良い方が選ばれることも珍しくありません。
仕事を円滑に進めるためには、人間関係がスムーズに行くことが大切です。そのため、場の空気が読め、気遣いのできる人が好まれます。仕事を大局から見ることができ、自分の手が空いていたら他人のサポートに入るなど気配りのできる人は、どの会社でも欲しがる人材です。ただし、これは日系企業と外資系企業で違ってきます。
人柄以外にも、身だしなみや時間を守る等社会人としての一般常識を持ち合わせているか、割り振られた仕事は責任感を持ってやりとげることができるか、仕事が早いかなどを、面接官はプロの目で見ていきます。
尚、営業事務には伝票関係の経理業務が含まれていることもありますので、その経験があると有利な場合があります。また、最近ではパソコンを使わない会社はありませんので、ワード・エクセルやEメール等はある程度使いこなせることが必須です。上級レベルに使えるならば、それを積極的にアピールしていきましょう。
経理事務を採用して、たまたま経理経験がない、または経験が少ない人ばかり集まるということも考えられます。実務経験以外もおろそかにせず、採用へのポイントアップにつなげましょう。
履歴書の重要性
経理事務経験者・未経験者に関わらず、履歴書は非常に重要です。履歴書を見ればその人の中身が分かるといわれているほどで、経理事務に採用されるためには、好印象を与える履歴書を作成することが不可欠です。
最近は、手書きの履歴書が減りパソコンで作られることが多くなりました。また、履歴書をかねた「職務経歴書」が一般的です。注意点としては、まずぱっと見て読みやすく仕上げるため、すっきりとしたレイアウトにします。強調したい部分は太文字・斜体・下線・文字の大きさなどで適度に変化をつけると、メリハリが出て読みやすくなります。
職務経歴書では、氏名・住所や学歴以外に詳細な職務経歴を記載します。会社名を一番上に書き、勤務期間と部署名は必ず入れましょう。尚、退職理由は必要ありません。職務内容については、箇条書きに分かりやすくまとめます。一番重要な職務内容の部分がすかすかだと格好がつきませんので、最低でも3つは書くようにします。この時、経理事務経験がなくとも、それに近いとされる業務を一番上に置くことがポイントです。
履歴書を見ればその人の文章力が分かり、そこから大体の仕事振りが判断できてしまいます。大多数の会社がまず履歴書で応募者をふるいにかけ、残った人だけが次のステップへ進むことができます。最初の関門を通過するために、しっかりと履歴書を作っていきましょう。
人材会社を利用する
経理事務で採用されるためには、募集案件を見つけなければなりません。採用情報については、新聞広告や企業のホームページといった媒体以外にも、就職支援会社や人材会社を通して得ることができます。
就職支援会社には企業から沢山の募集案件が集っており、そういったエージェントを通すメリットの一つはその情報量の多さにあります。また、転職のプロがアドバイスを行いその人材に合った仕事を紹介してくれますので、転職の成功率が高いことも魅力の一つでしょう。
例えば、就職支援サービス大手のリクルートエージェントは圧倒的な求人数の多さが特徴で、一般事務からエンジニアまで幅広い求人を約10万件もかかえています。また、北海道から九州まで拠点があるため地方での求人情報も充実しており、その情報は日々更新されています。
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こういった就職支援会社への登録は無料であり、登録することで非公開の求人を紹介してもらえるなどの利点があります。リクルートエージェントなど就職支援会社を使い、経理事務の採用に役立てていきましょう。
